2013年 07月 18日 ( 1 )

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掘りたてつやつやのニンジン。
裏の畑は、今年は春先の悪天候と農夫ジュリアーノの入院でいつもより寂しい実りになっています。
でもこのニンジンはとっても立派!私は小ぶりのものを選んだのでこんな感じですが、もっと大きくてぷりぷりのニンジン(ニンジンに”ぷりぷり”っていうのも変だけど、その言葉が似合う!)が籠に積まれていました。
このフレッシュなニンジンをどう活かそうかと考えて、ただ千切りにしてオイルとお酢、塩で和えるだけのマリネを作ることにしました。
実は私、ニンジンを千切りにするのが好きで、切っているとき妙に集中して幸福感を得られるのです。そして切り終わった時の達成感。
新ニンジンは瑞々しいので包丁に伝わってくるシャキシャキという感触と音がとても心地よい。
夢中になって大きめのニンジンを4本千切りしました。


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あとは調味料をかけて、手で軽く揉む。この手で揉む作業が結構大事なようです。
韓国料理のナムルも、和えるときは手で揉むと仕上がりが違う、と韓国人の料理家のレシピに書いてありました。手の適度な温度と微妙な力加減で味が馴染むんでしょうね。
作った日は歯ごたえのあるサラダのよう。2日目、3日目と時間が経つにつれてしんなり馴染んできてそれも美味しいのです。
これだけで食べてもいいし、他の野菜を足してオリーブオイルと塩で和えるとイタリア風のサラダに、醤油で和えると和風、ごま油とナンプラーでエスニック風。毎回変えて楽しんでいます。

今日はこのニンジンでキャロットくるみスコーンを作りました。モモニコのおやつ、アルビーの朝食に安心して食べてもらえます。

どんどん消費してまた買いに行こう。


この忙しい最盛期に、持病のある心臓を再び患ってしまったジュリアーノ。退院した今も家で安静にしていなければなりません。
主人不在の間、70代半ばの妻アンドレイーナが息子と孫に手伝ってもらいながら畑を守っています。夫の入院中は、早朝に畑仕事を済ませ家に戻り差し入れのマチェドニアを準備。1日3回病院に通っていたそうです。自身も糖尿病を患っているというのに・・・
早朝なら私にもお手伝いできる時間がある、と思って何かできることはないか聞いてみましたが、「この仕事は大変だから、気持ちだけもらっておくよ、ありがとう」という返事でした。足手纏いになっては意味がないのでそれ以上は聞かないことにしました。
私にできることは、大忙しのアンドレイーナが畑にいるタイミングを見計らって(うちのテラスから畑が見えるのです)野菜を買いに行くこと、ちょっとした話し相手になってあげること、それぐらい。
少ない年金を補うためということもあるのだろうけど、何より長年夫が手をかけてきたこの畑を必死で守ろうとしているアンドレイーナの姿勢と根性にジュリアーノへの愛情を感じました。夫婦二人で喧嘩しつつも何十年とやってきた歴史ってすごい。

そんなこともあって、私はますます野菜料理に精を出そうと思っています。



追記
この記事をアップして間もなく、ジュリアーノは天国に行きました。
夜中、眠るように息を引き取ったそうです。
テラスに出ればいつでも彼らの畑が見えます。その悲しい知らせを聞いた後、畑に置き去りにされた、ジュリアーノがいつも野菜を運んでいた緑色の三輪自動車apeを見るたび、胸が締め付けられる思いがしました。もう、その車を動かす人はいないのです。
アンドレイーナに会いに行こうか迷い、結局行くことができませんでした。何て声をかけてあげればいいか、私にはわからなかったから。
そうしているうちに、激しい夕立が降り始めました。
ジュリアーノがアンドレイーナのために「明日は畑に水を撒かなくていいよ」と十分な雨を降らせてくれているように思えてなりませんでした。
アルビーが「明日の朝アンドレイーナに会いに行ってあげな」と肩を押してくれました。そうだよね、行ってあげなくちゃ。自分の気持ちを伝えられれば、言葉なんてどうでもいいのかもしれない。
ジュリアーノの御冥福をお祈りいたします。

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